招きの再発見

Photo: Harry Unger

「だから、あなたがたは行って、すべての民をわたしの弟子にしなさい。彼らに父と子と聖霊の名によって洗礼(バプテスマ)を授け、あなたがたに命じておいたことをすべて守るように教えなさい。わたしは世の終わりまで、いつもあなたがたと共にいる。」

今年のリニューアル2027(「み言葉により変えられる:アナバプテストの視点で聖書を読む」2017年2月12日ドイツ、アウグスブルクにて開催)では、YAB(ヤング・アナバプテスト)の委員がそれぞれの視点からマタイ28:19-20の聖句を読み解きました。今号の「視点」ではそのいくつかを紹介します。


アナバプティズムの500周年を迎えるにあたり、あらためて大宣教命令のビジョンと熱意を思い起こすことはふさわしいことだと思います。この命令こそが、宗教改革期の再洗礼派の生活と宣教にとって、中心的なものでした。運動の当初から、実践的な弟子の道や共同体重視の姿勢と併せて、伝道的な説教が再洗礼派の強みだったのです。

米国では、キリストの「すべての民を弟子にしなさい」との呼びかけにもかかわらず、キリスト教は眠ってしまっています。世界の南側から西洋に伝道しようと、キリスト教徒がやって来ます。キリスト教徒の多数派はもはや白人ではなく、福音を知らない人々のところに宣教師が赴くよりも、そんな人々が「キリスト教圏」とみなされるところにやって来るのです。

こんにちでは、自分の街を離れることなしに、私たちは福音にまだ出会っていない移民や留学生の人たちに、愛をもって奉仕できるのです。

信仰への脅威

アメリカのキリスト教にとって最大の脅威は、多元主義と物質主義ではないかと私は考えます。イエスは本当に唯一の道でしょうか? イエスは本当に世界でもっとも尊いでしょうか? 比較的裕福で、快適で、個人主義的で、物質主義的な社会に住んでいると、こうした問いに答えるのが難しくなります。でも、この問いに「その通り」と言えれば言えるほど、私たちが喜びをもって宣教に取り組めると私は思います。

多元的で多文化的で世俗的な社会では、他人に入信するようすすめることにはより慎重になりますし、信仰を個人の私的な事柄とみなす傾向があります。個人の信条は、他人の迷惑にならない限り、みんな違ってみんないい、と思われがちです。私たちの世代にとって「宣教」はもはやタブーです。帝国主義や西洋の植民地主義とほぼ同義だからです。

神について、いかに聖なる生き方をすべきかについて、私たちはみな信仰に限界を抱えています。他教派のキリスト教徒や、イスラム教徒、ヒンドゥー教徒、無神論の人たちと関わる中で、メノナイトとして育った私の信仰は試されたり広げられたりしてきました。異なる文化の背景をもつ人々の方が、神をよく理解していることもあります。たとえ異なっていても、イエスのメッセージは変わりません。「わたしは道であり、真理であり、命である。わたしを通らなければ、だれも父のもとに行くことができない」(ヨハネ14:6)。

究極の真理を得ていると、私たちはどうして主張できるでしょう。その答えは、私たちの思考様式や道徳性にではなく、他者との関わりのもち方にあります。真理であるイエスを謙虚な気持ちで示すべきであり、イエスのメッセージを私たち自身の文化や伝統に閉じ込めてしまってはいけないのです。

ともに旅路を歩みながら

私がもっとも勇気づけられるのは、いつもともにいるというイエスの約束です。イエスの命令は私たちだけでは達成できません。「わたしをお遣わしになった父が引き寄せてくださらなければ、だれもわたしのもとへ来ることはできない」(ヨハネ6:44)とイエスが言うとおりです。言葉と行いをもって福音を分かち合おうとすれば、イエス自身が自分について言ったことを私たちは信じるか、という問いに直面します。私たちは、イエスが神の子であり、地上においても未来永劫においてもまったき命であると信じますか? イエスを知るという賜物が、何よりも素晴らしいと信じますか?

人々の心にはたらいて確信させ、神へと引き寄せるのは聖霊の働きです。キリストを広める者として、私たちがすべきことは、その招きに忠実であることです。自分の信仰に飽き足りてしまっているかもしれませんが、主なる神はいまも人々を引き寄せ続けています。パウロも「信じたことのない方を、どうして呼び求められよう。聞いたことのない方を、どうして信じられよう」(ローマ10:14)と釘を刺しているとおりです。

真に尋ね求める人々に、神はご自分をお示しになります(エレミヤ29:13)。神は私たちを必要としているのではなく、私たちが望むなら私たちを通してはたらきます。私たちが選ぶなら、神は私たちを用いて、人々を栄光のみ国へと導くのです。

—.ラリッサ・スウォーツはYAB(ヤング・アナバプテスト)委員会の委員。米国オハイオ州のロンドン・クリスチャン・フェローシップ(保守メノナイト教団)出身。

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